※「ハッピー子育てQ&A?おしえて!!子育てマイスター」より抜粋
1歳2ヶ月といいますと、離乳完了の時期となります。この時期に食べる量は、大人の半量くらいでも問題がありません。ただ大人と同じメニューではなく、味付けは薄味にし、栄養のバランスも考えてあげてください。主食・主菜・副菜の形を整えるようにされるとよいでしょう。お子様自身でも食べられる形状にしてあげると『手づかみ食べ』もできます。
またこのくらいの年齢のお子様は、胃腸も大きくありません。充分な栄養をとるために、間食が必要な時期でもあります。1日2回程、おにぎりやパン類などの炭水化物や果物などを選ぶと良いでしょう。おおよその時間を決め、必要な栄養を十分与えてあげましょう。
離乳食の時期は、その後の食生活にも大きな影響を与えます。食事をすることの楽しさも教えてあげてください。発育曲線が成長カーブに沿っていれば、食べる量はそれほど気にされなくてもよいでしょう。ただ、実際に、お子様がどれ位の体格で、どのような食事を好まれていらっしゃるのかが分かりませんので、詳しくは健康福祉センターや、かかりつけの小児科の先生および管理栄養士にご相談ください。
平成20年5月31日(土)掲載
給食が遅くなることは、本人にとって大変苦痛だと思います。早く直したいものですね。
食べるということは、食欲があって行う行動です。自主的、自発的に食べたくなることが大切です。
まず、生活習慣を良く観察してみてください。3度の食事、おやつを食べる時間は適正ですか。運動やお手伝いなど体を動かしていますか。「早寝、早起き、朝ごはん」していますか。そこで、朝食を今までより少し早めに食べるようにしたらいかがでしょうか。
次に、お子さんの好むものばかり献立に入れる家庭が増えてきていますね。好まれる食品ばかり容認していると成長に必要な栄養がとれません。そのうえ、わがままを助長してしまいます。低学年のお子さんであれば夕食などのお手伝いをさせるのも良いかと思います。料理をつくりながら、学校でのこと、食品のことなど話すことも大切です。
家族、とりわけお母さんの食生活は偏っていませんか。ふりかえってみて、今まで使っていなかった食品をすこしずつ増やしてはいかがでしょうか。食べられる食品数が増えてくれば他のお子さんと同じになると思います。あせらず、気長に食品体験をさせてあげてください。
何よりも、家族が一緒に食事をするようにしましょう。しかも楽しい雰囲気にし、食事が楽しいものであることを体感できるようにしてあげることです。決して強制せず、暖かく見守ってあげてください、成功した時は思いっきり褒めて勇気づけてください。
平成20年8月30日(土)掲載
ご質問の生魚を食べてもよい年齢ですが、消化吸収の面から考えますと、2歳になれば、まぐろ等の柔らかい赤身の魚は問題がなく、新鮮で衛生的なものであれば生で食べられます。また、ホタテ貝など柔らかい貝類も食べることが出来ます。
しかし、生魚には細菌や寄生虫が繁殖している危険性があるので注意が必要です。乳幼児期は免疫機能が不十分なため、病原体に対する抵抗力が弱く、食中毒やアレルギーを起こしやすい時期に当たります。成長には個人差がありますので一律には言えませんが、生食は自己免疫力がつく3歳以降まで待っても遅くはありません。
次に、注意したほうがよい魚介類ですが、アレルギーになりやすい魚は、さば、さんま、まぐろ、いか、かに、えび、魚卵などです。また、仮性アレルゲンといって体調が悪いときに食べると急にアレルギー症状を起こす魚として、たら、さけ、かれい、甲殻類などもあります。
乳幼児期の食物アレルギーは、卵、乳、小麦粉が主な原因ですが、年齢と共に減っていきます。一方、魚のアレルギーは、年齢が高くなるにつれ発症する傾向にあります。特に、かに、えびなどの甲殻類は学童期や大人になってから発症する場合が多くあります。
しかし、誰もがこれらの魚を食べてアレルギー症状を引き起こすわけではありません。魚には良質な蛋白質と脂肪が多く含まれています。現在アレルギー症状が無いのなら積極的に魚を食べた方がよいでしょう。
平成20年10月25日(土)掲載
味覚は乳幼児期に濃い甘味や塩味に満足するようになると他の味覚の発達を阻害することになります。味を感じる舌の味蕾(みらい)細胞の数は、1歳過ぎが一番多く、この時期をピークに年々減っていくといわれています。このため、幼児は大人よりも味に敏感です。特に塩味は調理の基本ですが、塩分の嗜好は生理的欲求よりは幼少期からの味覚体験に影響されるとされます。
お母さんのご心配はその通りだと思います。今のうちに適切な食べ方と、味覚の育成に努力していただきたいものです。
このお子さんはいわゆる口内調味ができない状態ではないでしょうか?無味のごはんは、口内調味でおかずと一緒に食べることで美味しく食べることができるのです。日本の特有な食べ方です。
トレーに配膳し、彩りや味の違いが楽しめるように工夫されてはいかがでしょうか。ふりかけやトッピングはなるべく避け、お料理の味を楽しみましょう。
幼児期は、その後の食の嗜好(しこう)や食べ方の基礎が形づくられる大切な時期です。適切な幼児食は、健やかな心身の発達を促します。また、栄養バランスだけではなく食事をすることの楽しさも教えてあげることも大切です。親子でしっかり食事を楽しんで頂きたいと思います。
平成21年2月28日(土)掲載
お母さんとしては色々な食材を経験させてあげたい頃ですね。離乳食は、焦らず、ゆっくり、少しずつお子様の成長に合わせて対応するのが基本です。
お尋ねのアレルゲンとなる可能性のある食物を与える時期についてですが、赤ちゃんの頃は、消化吸収能力や腸管免疫機能の未熟、腸内細菌叢形成異常等によりアレルギー症状を起こしやすい状態です。この時期、アレルギーの原因物質をアレルゲンと言いますが、アレルゲンとなるのはたんぱく質の多い食品に多く発現し、特に卵、牛乳、小麦のたんぱく質に多く見られます。
ご質問の卵黄ですが、通常6ヶ月位から加熱すれば可能です。しかし、心配でしたら離乳食後期に始めても良いと思います。
卵黄で嘔吐されたとの事ですがその時の状況はどうでしたか。激しく泣いた後とか、食後すぐ体を動かしたか、風邪等体調を壊していなかったか、又、食後、発疹など皮膚症状や呼吸器症状、眼症状など出なかったか等よく観察してください。お母さんが安易にアレルギーと決めないようにしましょう。家系内にアレルギー素因があり、ご心配であれば医療機関で血液検査をしてもらってはいかがでしょうか。もし陽性反応が出たら医師に相談しましょう。
大豆や小麦、牛乳は大丈夫なので食品の制限はあまりしないで、少量ずつ一種類ずつ食品をゆっくり増やしてあげるといいですね。そして食後は様子を観察しましょう。
食品は充分熱を加え、出来るだけ消化器に負担をかけないような調理方法(パンプディング、茶碗蒸しなど)を考えましょう。たんぱく質は加熱により低アレルゲン化する事が多いです。アレルギー反応が無ければ少しずつ増やしましょう。いろんな食品が楽しく食べられるようになるといいですね。
平成21年5月30日(土)掲載
食べ物の好き嫌いで頭を悩ませていらっしゃるお母様方はたくさんいらっしゃると思います。しかしながら、1歳6カ月といいますと、嫌いな食品が固定化されていない時期でもあります。ある時は食べられなくても次第に食べられるようになったり、以前は好んでいた食品を嫌がったりすることもあります。早急に偏食と決め付けずに、調理法や形を変えるなどの対応をされてみてはいかがでしょうか。また、「食べることが楽しい」、「おなかが減ったから、食べたい」という環境を作ることも大切です。
緑黄色野菜(人参やブロッコリーなど色の濃い野菜)には、カロチンやビタミンCが比較的多く含まれていますので、積極的に摂っていただきたい食品です。
お子様が色で好き嫌いを判断していらっしゃるようでしたら、細かく刻んだりすったりしてお料理に混ぜてみてください。意外と簡単に食べてくれる場合もあります。一度試してみられてはいかがでしょうか。
お肉は固くて苦手なのでしょうか?咀嚼力(噛む力)は歯やあごの発達にも影響しますので、できるだけ咀嚼をしてもらいたいですね。いつもより小さめに切ってあげるのも一つの方法です。
また、ご相談の中には、白いご飯を食べようとしないともありますね。白いご飯とおかずを口の中で混ぜながら食べる方法は「口内調味」と呼ばれています。これは、日本独特の食べ方で、「口内調味」によって、味の深みや濃さを調整することが出来ます。「口内調味」されない食べ方を「ばっかり食べ」といいますが、この「ばっかり食べ」をしていますと濃い味に味覚が慣れてしまい、他のものを食べた時には味が薄いと感じてしまうのです。これが次第にエスカレートすると、どんどん濃い味(塩分や糖分)のものを欲するようになってしまいます。お子様の年齢は、味覚を形成する大切な時期でもあります。白いご飯とおかずを一緒に食べることによってお料理に味の変化が生まれることを楽しむようにしていっていただきたいものです。
食事は、主食(ごはんやパン、麺など)、主菜(おかずのメインディッシュ)、副菜(小鉢や汁物)をそろえて食べると簡単にバランスよく食べられます。皆さんで食事を楽しんでいただきたいと思います。
平成21年9月26日(土)掲載
子供さんの好き嫌いが多く、給食を食べられるかどうかと入園前に心配なお母様はたくさんいらっしゃいます。最近では核家族が増えているせいか子供さんのお好み中心にご自宅の食事を作られていらっしゃるご家庭が多くなり、以前よりそういう悩みは増えていると思われます。
ご質問の子供さんの好き嫌いというのはどのようなものかわかりませんが、食べられない食材があるようでしたら、細かく刻んでみたり調理方法を変えてみられる方法もあります。また食べられたときには子供さんを褒めてあげると自信につながります。
味付けは、塩分は通常、成人では1日10g以下が国の目標です。味覚は濃い味に慣れてしまってからでは薄味に戻すのは困難です。離乳食、幼児のころから気をつけていただきたいと思います。結果、ご家庭の皆さんの健康づくりにもつながることになります。
給食では多くの食材を季節ごとに取り入れ献立を工夫し、様々な調理方法で提供されています。給食は、決まった時間に食事をする習慣、お友達と食べる楽しさ、供食を通じて学ぶ食育、食事バランスについて、食品について、地域の食文化などいろいろなことを学ぶ時間でもあります。「お友達と食べることが楽しくて給食を残さず食べられるようになった。」、「好き嫌いが少なくなった。」など多くの発達成長が期待されます。
入園前に好き嫌いがないように努力されることも大切ですが、食事時間が苦痛にならないよう、お母さんやご家族一緒に「おなかすいたね」「おいしいね」「背が伸びたね、もっと食べればいいかしらね」「トマトの赤はきれいね」「このお魚はどこを泳いでいたのかしら」「骨を上手にとる箸の使い方はどうすればいいのかしらね」、など楽しい会話と食べることが楽しい食卓づくりを心がけて頂ければと思います。
好き嫌いがある、食べないなどは多くのお母さんの心配ごとでもありますが、日本が飽食の時代であり、子供たちが本当に飢えを知らない幸せな状態とも言えます。しかし成長に備え、健康であるための食事の選択力は必ず身につけさせたいものです。
平成21年10月26日(月)掲載
新入生の食物アレルギーの相談は、私の学校でも、年々増えています。
学校におけるアレルギー対応で最も重要なことは、保護者と学校側の話し合いです。原因となる食品やその症状、家庭での対応状況、アナフィラキシーショック(=呼吸困難や意識障害、血圧低下など、生命をおびやかすような危険な状態)の有無など、できるだけ詳しく説明をされるとよいと思います。
学校は保護者の相談内容を受けて、学校内での体制を整えるとともに、給食施設内の状況をふまえ、できる対応を考えます。しかし、給食施設には各学校で給食をつくる単独調理場方式や何校分もの給食をつくるセンター方式があり、対応できる内容にも多少の差があるかもしれません。
アレルギー対応給食の例を紹介しましょう。給食室で、アレルギーの原因となる食品を使わずに調理する「除去食」と呼ばれる方法があります。症状が軽い場合は、教室で給食を盛り付ける際に、担任の先生やお子さん自身が、原因となる食品を取り除く場合もあります。また、デザートを別の食べることが出来るものに代えることもあります。
ここでは、よく行われている対応を紹介しましたが、市や町によって食物アレルギーへの対応が異なるようです。また、医療機関の「診断書」の提出を求められることもあるようです。まずは、学校にご相談ください。
小学校での給食が、お子さんにとって、楽しい時間であってほしいものですね。
平成22年3月15(月)掲載